特上カバチ!!第9話のあらすじについてはTBS公式サイトで、ご確認ください。
第9話、ドラマとしてはすごく盛り上がりましたね。行政書士としては何も仕事をしておりません。
前回、事務所をやめた田村くんでしたが、やっぱり困った人はほっとけず、レアメタル詐欺被害の 救済をボランティアで行うことに・・・。 理由は田村くんのアパートの住人・木元さんが自殺を図ったからです。これはさすがにほっとけませんね。
詐欺のレアメタル投資は契約を解除しようとしても、投資額1,000万のうち、1割しか返却されないという特約がなされておりました。
前々回の復習ですが、契約とは通常、当事者間の「意思の合意」でいかなる内容にもすることができます(契約自由の原則)契約は当然、口約束だけでも有効ですが、後々のトラブル発生時のために契約書を作成し、このような特約も記載しておきます。
今回は小さく書いてあったとはいえ、契約書的には有効。説明を怠っていたのは明らかですが、客観的には有効なんですね(もし裁判しても証拠がない)。
一度、交渉が決裂し、詳細を田村くんが調査していましたが木元さん、インペリアル・トラストの社員と解約契約してしまったとのこと。
これは社員が口では「とりあえず100万を払う」と言いながら、契約書の裏には100万で解約を認めるような文面を入れていたという巧妙な作戦です。もちろん、裏に書いてあっても、客観的には有効です。
木元さん、相手が悪徳とわかった後でも簡単にハンコを押してしまうのは、ちょっと軽率でしたね。
皆さんは、契約を交わすときやハンコを押すときは契約書の記載には注意してください。
仕方なく田村くんは調査結果を元に、集団訴訟を起こす事を示唆します。インペリアル・トラストもさすがにこれは恐れたようで、田村くんをハメる偽造傷害事件をデッチあげます。
傷害罪で逮捕された田村くんは当然、容疑を否認します。
事情を知った住吉さんや栄田さんらは、田村くんの心配をしますが、ここで栄田さんが「こうりゅう(勾留)期間を最大の20日使う気だ」のようなことを言っていたと思いますが、被疑者を逮捕した場合、まず身柄拘束として警察で48時間取調べられます(検察の場合、24時間)。続いて被疑者勾留として起訴前に最大10日間取調べられます。
普通、勾留の請求をした日から10日以内に公訴を提起しない場合、直ちに被疑者を釈放する必要がある(刑事訴訟法208条第1項)のですが、やむを得ない事由があるときは、10日以内の範囲で勾留の期間の延長をすることが出来ます。
これは、本当は事件関係者が多く、取り調べに多くの時間が必要となる場合など、10日間の勾留では起訴の可否が判断できない場合などに限られるのですが、田村くんが状況証拠としては明らかに加害者なのに、まったく容疑を認める姿勢を示さないために「勾留期間を最大の20日使う気だ」と栄田さんが判断したわけです。
そこで大野事務所のみなさんは「たかだか10万円の罰金を支払えば出られる」という意見を田村くんに説いたわけですね。
ただ、負けず嫌いの田村くんがそんな妥協をするはずもありません。
ここで、大野事務所のメンバーが取った作戦は「検察に告発」という大胆な行動です。(これは行政書士業務としてはやりにくいので、検備沢弁護士に依頼しておりました)
インペリアル・トラストの社員はありもしない事件をでっちあげ、田村くんを警察に逮捕させるというとんでもない人権侵害を起こさせた訳ですから、当然罪になるのです(刑法172条虚偽告訴罪)。
虚偽告訴罪は事実に反する事件を取り上げ、他者の罪を申告した場合に適応され3ヶ月以上、10年以下の懲役です。
もちろん、本人も思いこんでおり(記憶違いだが、客観的には相当)やむを得ない場合は別ですが、明らかに事実と反することを申告すれば、犯罪となります。
当事務所では犯罪被害の相談を内容証明作成や告訴状作成を前提として、ご相談に応じておりますが 面談時に間違いがないように何度も事実確認させて頂いておりますが、以上のように依頼者様が虚偽告訴罪に陥らないために必要なことですのでご了承ください。
実際にあることですが、痴漢や強姦罪などで被害を申告した側が逆に虚偽告訴罪として逮捕されるケースも存在します(もともと被害者のフリをした悪意あるケースですが)。
このように、インペリアル・トラストの罪が認められれば、あとは田村くんのお得意のコースですね。告訴取り下げをネタに示談交渉してました(笑)。
最後にちらっと悪徳弁護士の存在が明らかになり、それが田村くんの父親であることがわかりますが、このドラマで田村くんがやたらと弁護士を毛嫌いしていた理由はコレなんですね。
でも、結構素質を受け継いでいるような・・・。
ともあれ、次回で最終回のようです。
どのような展開になるんでしょうね。そして、田村くんは行政書士試験に合格するのでしょうか?
それとも、続編を予定しているのかな?