カバチタレ!第5話のあらすじについてはフジテレビ公式サイトで、ご確認頂き、詳しくはDVD等を見てください。
第5話は意外にも、生田弁護士の方から顧客の紹介があります。理由は「弁護士より、行政書士の方が道路交通法に詳しいから」らしいのですが、僕の個人的な気持ちとしては、どっちもどっちという感じなんですけどね・・。
しかも、この生田弁護士、行政書士に顧客を紹介してどのような解決方法を予想していたのでしょうか?
ドラマ内でその真意は明かされませんでしたが、後々の展開から考えれば、栄田が弁護士法違反を犯すのを自らの目で確かめるために仕掛けた罠だったのではないでしょうか?
ともあれ、今回の中丸が「右折禁止」の標識が見えないために、切符を切られたという事件に対して栄田らが、「標識が見えにくい」事実を調査し、それを書類にまとめたりする行為は行政書士法1条の2「事実証明に関する書類の作成」」にあたるので、まったく問題ありません。
また、中丸らのクリーニング屋に嫌がらせをしてきた警察官を懲らしめるために監察官に上申書を提出するあたりは、いかにも行政書士っぽい方法です。今回の話は全体的に行政手続法にも深く関わっており、適法な行為で進みます。
嫌がらせをしていた警察官らは後で副署長に「交通取り締まりに関しての通達」読み上げさせられますが、実は行政書士も許認可やその他の書類を役所や警察に提出する際に、こういう細かい「通達」まで調べ上げ、業務遂行を行っています。
そういう意味では今回、生田弁護士が行政書士に顧客を振ってきたことが功を奏しましたね。
最終的に栄田らの考えた違反取消の作戦は「正式裁判に持ち込もうとして、裁判の前に検事に不起訴にしてもらう方法」です。
正直、これはカバチタレを見なければ、僕には思いつかない方法でしたし、このようなことを提案する行為が行政書士業務に含まれるか、ここではっきりと線引きすることが僕にはできません。
このドラマが2001年に放送ですが、行政書士は2008年7月1日の行政書士法一部改正以降、「処分の原因となる事実」を必要に応じて反駁するような聴聞代理をすることができますので、現在ならそのようなドラマ展開になったのかもしれません。
とりあえず、ドラマでは最後に生田弁護士が「あなたらのやり方、わたしたち弁護士の領分に踏み込んできていません? はみ出してきたら、容赦なく撃ち落としますよ!」と言い放つシーンがありますので、今回のような栄田らのアドバイスも限りなく黒に近いグレーなんでしょう(確かに裁判を利用する時点で、書類作成の方法もアドバイスしてそうですもんね・・)。