特上カバチ!!第6話のあらすじについてはTBS公式サイトで、ご確認ください。
第6話も正式な仕事ではないお話ですね。田村くんが初めて開店申請を出した「キッチン・ミヤシタ」にて食中毒が発生し、営業停止。
被害者らに支払う慰謝料について田村くんと住吉さんが立会いました(これは偶然居合わせたとの事)。宮下の経営センスの無さには脱帽でしたが、本人が一人10万円払うとか、リフォームして店を建て直すってんなら仕方ありませんが、うちの事務所では経営のアドバイス(コンサル)を重視していますから、こんな無茶な資金の使い方は見逃せません。
さて、被害者の中に建設業を営む富田がおり、1週間入院して仕事が滞り多大な被害を受け宮下に対する賠償請求を大野事務所に依頼します。
ここで、重森さんが「うちは行政書士事務所ですから、このような案件をお受けすることはできません」と断ろうとします。さすが重森さん、ナイスです。
ところが、まだ引き下がらない富田にやむなく業務外のボランティアとして田村くんに交渉をさせることに・・。請求額は500万円です。
宮下の支払い限界額は運転資金の350万円。住吉さんは宮下の母親の年金からの回収を提案します。
今回はボランティアなので、突っ込む必要はありませんが、行政書士が仕事として「賠償金の受け取り」や「回収方法の提案」などをすることは許されません。そもそも、相手方の宮下がこれを了承する訳も無く、明らかな法律事件であり、裁判所の関与が必要となっております。
まして、宮下に一言もなく勝手に母親に取り立てにいくなどというのは無報酬であったとしても行政書士法14条にあたりかねませんね・・。
さて、今回住吉さんの過去が少し明らかになりました。彼女は昔、取り立てにより、老人を自殺未遂に追い込んだことがるそうです。「法律は人を救うこともできるが、使い方を間違えば人を殺すことにもなりかねない」と田村くんに説きます。
このような過去を持ちながら、第一話で「店を潰すか、金を返すか選べ」と放つあたりは相当の覚悟の持ち主ですが、いずれにしても、このような仕事は弁護士の仕事であって会社設立や営業許可など「生み出すことを目的とする」行政書士の仕事ではありません(または守ることを目的ともします)。
今まで甘さが抜けなかった田村くんですが、この話を聞いて変な方向に開眼し、母親のところに取立てに行ってしまいます。
理由は宮下の店を守るためらしく、取立てなどから店を守るには母親に助けてもらうしかないということのようです。
そう言われれば、確かにこれで富田も宮下も倒産せずに済みますね。この点は田村くんの意外な経営判断能力発揮でした(運転資金がなくなってどうやって盛り返すかは疑問ですが、公的融資の申請あたりを勧めるのかもしれません)。
確か原作や深津絵里版の「カバチタレ!」は大野コンサルタント事務所であり、経営の相談なんかも請け負っていたために、経営に対してわりとシビアな感がありましたが桜井翔版「特上カバチ!!」では、経営コンサルは行わず、行政書士業務に絞っているようですね・・。
ちなみに、行政書士の扱う法務は基本的に事業に関することが多く、それぞれのネットワークや事務所自身の経験から、多くの事業についてのアドバイスが可能となります。
当事務所でも、わりと実績があるWebマーケティングを軸に一般的なマーケティングや、市場調査なども含めたアドバイスなどを行っています。
今後の行政書士は「許認可を取る」だけではなく、継続して長く業務をしていけるための「生み出すための」お手伝いこそが行政書士のあるべき姿と思います。
いや〜今回、重森は行政書士として厳しい試練を田村くんに課しましたが、田村君自身、事業をやっていくことの責任や義務のようなものをうっすらと感じたのかもしれませんね。