特上カバチ!!第4話「保証人地獄に落ちた妻」

 特上カバチ!!第4話のあらすじについてはTBS公式サイトで、ご確認ください。

特上カバチ!!行政書士から見たレビュー

 先週の弁護士法の話を皮切りに、検備沢弁護士に突っ込まれないような業務展開をしていくのかと期待しておりましたが、依然キケンな内容ですね。

 田村くんなどが銀行に行き、預金を下ろせない理由を確認しに行くくらいは特に問題ありません。これは事実行為です。

 また、新たに登場した元堀行政書士はいい仕事してますね。
これは行政書士法第1条の2に規定されている「事実証明に関する書類」にあたりますね。
 「事実証明に関する書類」は代表的なものに会計記帳がありますが、筆跡鑑定の鑑定証ってのは、普通の行政書士にはできない高度な業務ですねえ。

 栄田が借用書の偽造を見破ったあたりも適法ですね。これは権利義務に関する書類の作成相談にあたります。しかし、問題はここからです。

 借用証偽造の証拠をつかむための捜査。これはなんとも判断しがたいです。
 書類についての相談に対して延長として「無報酬」で行っているようですので、絶対ダメなわけではないですが

ただ、参考までに

 「他人の依頼を受け、特定人の所在又は行動について面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法」
 これは「探偵業の業務の適正化に関する法律」に規定された探偵業にあたります。原則としてこれらを業として行う場合、探偵業者としての届出を要するのですね。

 この適用除外は放送機関、新聞社、通信社などの報道機関に限られます。

 このように捜査みたいな事が必要なとき、これは個人の権利利益の保護に関係しますので、我々行政書士が業務をするときに実務上は結構、意識しており、また実際これらの関係で困ることがあります(詐欺業者など加害者の住所が不明なとき)

 まー、ちょっと突っ込みが細かすぎますので、続きまして・・

やっぱり今回のポイントは栄田の暴走による吉田学への交渉場面でしょうね。
 まず、告訴を前提に恫喝的に示談交渉するのは田村(櫻井)くんの言うとおりヤクザの仕事です。

そして再び、参考までに

 刑法222条の脅迫罪・・・本人または親族の生命、身体、自由、名誉または財産に対し害を加えることを告知。

 民法第96条の強迫・・・違法な害悪を加える旨を通告し、相手方に畏怖心を生じさせ、行為させる。

 通常、告訴は違法ではなく適法な行為です。しかし状況によっては告訴という行為を用いての交渉が「害悪を加える」という行為と同視される場合もあります。つまり、刑法上の脅迫罪にはならないとしても、民法上の強迫の可能性は存分にあることでしょう。

 今回の栄田の行為は、その点で非常に危ういものです。

 民法第96条では、強迫による行為は取り消すことが出来るとあるので取り消されたらややこしいことになりますし、やっぱり、ここは弁護士さんの範疇であるわけです。

 これがたとえ「成り行き上で、ボランティアで行っている」と主張したとしても、士業が紛争を起こす結果になるとすれば、やはり前回に触れた行政書士法第14条にある「行政書士が行政書士たるにふさわしくない重大な非行があつたとき」にあたるおそれも出てきますので、要注意でしょう。

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