特上カバチ!!第2話「絶対不敗の交渉術」

 特上カバチ!!第2話のあらすじについてはTBS公式サイトで、ご確認ください。

特上カバチ!!行政書士から見たレビュー

 特上カバチの第2話はドラマチックに脚色されていてなかなか素敵でしたね(友情の話とか)。

 前回は行政書士の職務の説明や報酬額の説明をする場面が多かったので、良かったのですが 今回はちょっと誤解を与えやすい場面が見受けられたので、そこらへんを軽く触れたいと思います。

 桜井翔演じる熱血な田村くん、依頼者への思い入れが強くて優しいのですが、少々頼りない感じですね・・。
 まだ補助者のようなので原作とは違い前作の「カバチタレ!」時代に「特上カバチ!!」の住吉がタイムスリップしてきて意地悪してるようです・・。これはかわいそうですね。

え〜と・・。原作でもそうですが、住吉は明らかに暴走しすぎです(苦笑)。

「店を潰すか、金を返すかどちらか選べ!」だなんて、これは明らかに依頼者である上杉さんの意思を超えた行為ですね。

 つまり、この時点で住吉は「貸金返還請求の代書(代行になってますが)」から「貸金返還請求の代理人」になってしまっていますので、行政書士の業務ではなく、弁護士の業務へとハミ出しております(汗)。
 ちなみに代行は法律的に言えば使者であり、事実行為を依頼人に代わって行なう者です。つまり法律的な判断などやその意思表示を代行者が行うことは許されません。

 おそらく住吉が依頼を受けたのは内容証明作成代理という依頼で、行える範囲はそれから派生した「その内容を伝えるという事実行為」までであると考えられます。
 一方で弁護士さんの場合は代理人であり、法律行為を依頼人に代わって行なう者ですから、法律判断や、その意思表示を自身が行い、その効果はそのまま依頼人に及ぶのですね。この点、やり口は自分で決めたいんだ!って人は行政書士に依頼すべきというのは言えるのですが、今回の上杉さんはあまりにすべてを任してますので、住吉は行政書士の業務からハミ出しているのですね。

 また、一番ドラマが盛り上がる展開にしているのが田村と住吉の交渉の場面(なんか侍になってたけど)だったので、これまた行政書士が「書類作成に特化している」という長所をボカしてしまっております。

 最終的に上杉さんが「自分で面と向かって来い!」って感じで仲直りしに行くシーンを入れるくらいなのですから、盛り上がるシーンも本人らの交渉に行政書士がサポートとして付き添って行うような展開にした方が良かったのではないかと思います。

 いずれにしても住吉さん、あんなに口で言い負かすのが得意なのでしたら 検備沢弁護士のアドバイス通り、弁護士を目指されてはいかがでしょうか(笑)。

 尚、使者として口でカバチタレるに止まる場合は裁判例で「書類の内容について他の者に説明することについては,行政書士法1条に規定する『権利義務又は事実証明に関する書類』の作成に当たる」という見解が表明されているので、実は行政書士が代書の代わりに口頭で代行を行いうるのですね。

 とはいえ、うちの事務所ではカバチタレませんが・・・。(あくまで一つの裁判例の見解ですので)

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